日本人が愛してやまない“中華の王者”といえば、やはり 餃子 と 小籠包。
どちらも点心の仲間でありながら、その魅力はまったく違い、食卓でも外食でも「今日はどっちを食べよう?」と悩む人も多いはず。
本記事では、
歴史・特徴・調理法・カロリー・地域差・専門店事情・おすすめシーン
など、餃子と小籠包をあらゆる角度から比較していきます。
“どちらが優れている”というより、
「違いを知って、もっと美味しく味わう」
そんな読み物としてお楽しみください。
1. 餃子と小籠包の概要 ― 同じ点心、でも全く違う料理
■ 餃子とは?
餃子は中国・北方を起源とする料理で、肉や野菜を皮で包んだ点心。
日本では焼き餃子が圧倒的にメジャーで、家庭料理にも外食にも根付いています。
代表的な餃子の種類
- 焼き餃子(日本で一番人気)
- 水餃子(本場中国では主流)
- 蒸し餃子
- 揚げ餃子
具材はキャベツ・ニラ・豚肉が王道。香ばしさとジューシーさが共存する、日本人の国民食とも言える存在です。
■ 小籠包とは?
上海を代表する点心で、肉餡と“肉汁スープ”が特徴。
蒸籠で蒸すことで皮の中に熱々のスープが閉じ込められ、噛むとジュワッとあふれる味わいが魅力です。
小籠包の特徴
- とにかく スープの多さ が命
- 薄皮でデリケート
- 食べ方に作法がある
- 冷めやすいので“蒸したて”が勝負
台湾でも人気で、鼎泰豊など有名店が世界中で支持されています。
2. 歴史の違い ― ルーツを知ると味がわかる
■ 餃子の歴史
餃子の起源は約1800年前。
中国の名医・張仲景が凍傷の治療食として作った「耳餃(じこう)」がルーツとされています。
日本には明治期に伝わり、戦後の満洲帰還兵によって焼き餃子文化が広まりました。
その結果、今では「ご飯と餃子」の文化が定着し、独自の進化を遂げています。
■ 小籠包の歴史
小籠包の誕生は19世紀、上海の南翔とされます。
肉のゼラチン質が熱で溶けてスープになることを利用した点心で、当時としては画期的な料理でした。
上海と台湾を中心に世界へ広がり、
「蒸籠から立ち上る湯気」 とともにアジア各地の食文化を彩る存在へ。
3. 味・食感・調理法の比較
■ 餃子の味と特徴
- 香ばしい焼き目
- 肉と野菜のバランス
- ニンニクやニラのパンチ
- 皮のパリッ&モチッとした食感
油と相性がよく、ラーメン・ビールとの無敵のコンビネーションを誇ります。
焼き餃子の強み
- 香り立つごま油
- こんがり焼き目の快感
- 中の肉汁がほどよくジューシー
■ 小籠包の味と特徴
- 肉汁スープが主役
- 肉の旨味が濃厚
- 生姜と黒酢で爽やか
- 薄皮の繊細な口当たり
小籠包は餃子に比べて“スープを楽しむ料理”。
ふわっとほどける皮と、熱々のスープのハーモニーが魅力です。
スープが生まれる仕組み
冷やした豚骨ゼリーを肉餡と混ぜ、蒸すことでゼリーが溶けてスープになります。
これにより 「噛むとあふれるスープ」 が成立します。
4. 皮の違い ― 実はここが最大のポイント!
■ 餃子の皮
- 厚め、モチっとした食感
- 焼き・茹で・蒸し、万能に扱える
家庭で作りやすく、破れにくいのが特徴です。
■ 小籠包の皮
- 極薄(破れやすい)
- 小麦粉に湯を使った“湯種”が一般的
- 蒸す前から職人の技術が試される
皮の薄さは店ごとに違い、
「薄くて破れない=熟練の技」
とされます。
5. カロリー・栄養の比較
| 項目 | 餃子(焼き餃子) | 小籠包 |
|---|---|---|
| 1個あたりのカロリー | 約40〜60kcal | 約35〜45kcal |
| 主な具材 | 肉+野菜 | 肉メイン |
| 油使用 | 多い | ほぼ無し |
| 食べ応え | 強い | 軽い |
餃子は油分が多く、ボリュームがあるため、
ご飯と合わせると高カロリーになりやすい傾向があります。
一方、小籠包は蒸し料理なのでヘルシーですが、
肉汁たっぷりのため“低カロリー”とまでは言い切れません。
6. 食べ方の違い ― 作法と楽しみ方
■ 餃子の食べ方
特に作法はなく、自由に楽しめます。
定番のタレ
- 醤油+酢+ラー油(黄金比:5:4:1)
- 酢+胡椒(最近の人気スタイル)
- ポン酢でさっぱり
自由度の高い料理で、ビールとの相性は抜群です。
■ 小籠包の食べ方
小籠包は“食べ方の作法”がある珍しい点心です。
- 箸でそっと持ち上げてレンゲへ
- 生姜をのせ、黒酢を少しかける
- 皮を少し破り、スープを味わう
- 余った本体を食べる
急いで噛むと熱々スープで火傷するため注意。
7. 餃子と小籠包、どちらが人気?
日本では圧倒的に餃子人気が強く、
宇都宮・浜松など“餃子の街”も発展するほど。
一方で、小籠包は「ご褒美系の点心」「専門店で食べる料理」として特別感があります。
SNS映えは小籠包が優勢
- 蒸籠から立ち上る湯気
- 薄皮から透ける餡
- レンゲの上の黄金スープ
視覚的な魅力が強く、“特別な食事”として人気。
日本の国民食はやっぱり餃子
- 家庭で作れる
- 冷凍食品も豊富
- 外食の定番
- ご飯・ラーメンと合わせやすい
普段使いできる点で餃子が優勢です。
8. 餃子VS小籠包 ― どっちがどのシーンに向く?
■ ガッツリ食べたい → 餃子
香ばしさとボリュームで食事のメインになります。
■ ちょっと贅沢したい → 小籠包
蒸籠の雰囲気もあり“外食感”を楽しめます。
■ 家で簡単に食べたい → 餃子
冷凍・チルド製品のクオリティが高い。
■ デートや女子会 → 小籠包
見た目も上品で、シェアしやすく軽め。
■ お酒のつまみ → 餃子
ビールとの相性は替えがききません。
9. 価格・入手しやすさの違い
| 項目 | 餃子 | 小籠包 |
|---|---|---|
| 家庭で作れる | ◎ | △(難しい) |
| 冷凍食品の充実度 | ◎ | ○ |
| 外食価格帯 | 安い〜中価格帯 | 中〜高価格帯 |
| 専門店数 | 多い | 少ない |
餃子は圧倒的に身近で、家庭料理として浸透しています。
小籠包は専門店の技術が求められるため、若干“プロ向け”の点心。
10. 結論:餃子と小籠包はライバルではなく“別ジャンルの美味しさ”
餃子と小籠包を比べると、調理法も味も文化もまったく違います。
◆ 餃子の魅力
- 香ばしさ・食べ応え・家庭料理
- ご飯・ビールと相性抜群
- 日常で楽しめる国民食
◆ 小籠包の魅力
- 肉汁スープの感動
- 薄皮の繊細な食感
- 蒸籠の雰囲気が特別感を演出
どちらも唯一無二の魅力を持つ点心であり、
“優劣でなく使い分ける”
のが賢いグルメの楽しみ方。
たとえば、
平日は餃子で満足し、週末は小籠包でご褒美。
そんな使い分けも良いでしょう。
最後に《餃子VS小籠包 まとめ》
餃子と小籠包はどちらも中華点心の代表格ですが、その魅力は大きく異なります。
■ 餃子の魅力
- パリッと焼けた皮とジューシーな肉汁
- 野菜とのバランスが良く食べ応え抜群
- ご飯・ビール・ラーメンとの相性が最強
- 家でも手軽に作れる/冷凍食品も豊富
- 日本全国で愛される“国民食”
■ 小籠包の魅力
- 噛んだ瞬間あふれる熱々のスープ
- 薄皮の繊細な口当たりと上品な味
- 蒸籠にのった姿は特別感・高級感あり
- 生姜+黒酢でさっぱり味わえる
- デートや女子会にも向く“ご褒美点心”
■ どっちが優れている?
優劣ではなく 役割が違う 料理
- 日常やがっつり → 餃子
- 特別感や蒸したてを味わう → 小籠包
■ 結論
餃子は“ふだん使いの王者”
小籠包は“特別な日の王者”
どちらも違った美味しさを持つ、
中華の二大スター と言えます。

